職人ブログ

塔婆製造・販売の(有)遠藤産業のブログです。塔婆職人という仕事を通じて 日々感じた事や気付いた事を書き綴っています。

護摩木の加工 及び どうなる円安

11月10日、本日は護摩木の加工をおこなった。
こちらが護摩木の材料。


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厚みは7mm。これ1枚で護摩木が3本取れる。
ギャングソーという木工機械で、上の材料を3つに割いていく。



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こちらはギャングソーで加工した護摩木。
横面を超仕上げ自動かんな盤で仕上げて完成。



さて、話題は変わる。
11月に入り、円安が進んでいる。
このブログを書いている時点で、1ドル151.35円。
塔婆材はほぼ海外から輸入している為、為替の影響で円安が進行すれば値段が上がる。
同業他社で11月から15~20%、販売価格を値上げした業者もある。


弊社が取引している材料業者からは、今のところ材料の値上げに関する連絡は来ていないが、今の円安状態がしばらく続けば、値上げの動きになるだろう。


帝国データバンクの調査によると、2023年10月に発生した円安倒産(物価高倒産)は最多の80件越え。
年間では639件と前年(320件)の約2倍に達している。
このうち、十分な価格転嫁が出来ず経営破綻に至った『値上げ難型』は36件。


円安、一体どうなるんでしょうかね?


自分のコントロール出来ない事は思い煩わないようにしている。
今後の動向を見つつ、今やる事をやる。
そんな感じである。


それでは今日はこの辺で。
ごきげんよう。





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10月を振り返る

10月最終日。
油断していると、すぐに年末になる勢い。


今月は一時、短納期の案件が重なる時期があったが、比較的穏やかなスケジュールで作業が出来た。
そせて、特殊なサイズの御注文が多く感じた。


こちら1尺塔婆


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こちらは剣先塔婆


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後半、有難い事に新規のお客様から何件か御注文を頂戴したり、数年振りに御注文を下さったお客様がいらっしゃった。
同業他社が値上げをしたという情報もあり、恐らく、その影響もあるのかも知れない。


プライベートでは、先日、久能山東照宮 天下泰平の竹あかりを家族と拝観してきた。
夜間の拝観は初めてだったが、竹あかりのきらびやかな雰囲気を味わいつつ、普段は通る事の出来ない階段を歩けたりと、貴重な体験も出来た。


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それではまた。
ごきげんよう。




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3尺木札と東京呑みアルきの話①

今週は3尺木札の加工及び印刷(2色刷り)を中心に、作業をおこなった。
長さが900mm以上、幅も100mm以上と、木札の中ではかなり大きなサイズである。


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こちらは朱色の印刷を施した木札。
この後、黒色の文字の部分を印刷していく。
寺院名が入っている為、大人の事情で画像は載せられない。


幅も広い為、印刷のかすれや刷り残しがないよう、塔婆の印刷以上に気を使った。
無事に出荷の運びとなった。



さて、話題は変わる。
少し前の話になるが、今月の15日に東京で呑み歩きをしてきた。


この日、奥さんが、ある舞台を観劇するという事で、私もちゃっかり便乗し東京へ。
奥さんが観劇している間、一人で呑み歩きをしようという魂胆である。


題して東京呑みアルき。
アルコールのアルと歩きがかけてある。
この日、私は拠点を上野に構えた。
まずは上野・もつ焼き大統領へ。
10時開店の店だが、私が到着したのは10時15分頃。
既に店内はほぼ満席状態だった。


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店員さんにカウンターの空き席へ案内され着席。
活気溢れる店内。
この雰囲気、いいじゃない。


もつ焼き5本セットと生ビールを注文した。
日曜日の午前中から呑むビールは格別。
もつ焼きもビールに合う。


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呑み歩き目的なので、ここで腹を一杯にしては意味がない。
さっと切り上げようとした矢先、事件が起きた。


隣の客が生牡蠣を注文したのだ。
生牡蠣は私も好きだ。
旨そうに生牡蠣をビールで流し込む隣客。
こんな光景を見せつけられて、生牡蠣を頼まない方がおかしい。
このまま帰るなんてどうかしている。


私も生牡蠣と生ビールを注文した。
小ぶりだが、味は間違いない。
旨い。


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そうこうしているうちに、隣客はもつ煮込みを注文。
長時間煮込まれていたであろう煮込み。
熱々の豆腐をはふはふと食べて、酒で流し込んでいる。
この隣客、店の回し者じゃないかと疑うぐらい、旨そうに食べて呑む。
そして飲み食いの所作が美しい。
いいじゃない。


私は隣客に導かれるままに煮込みと生ビールを注文した。
間違いない。
旨い。
ボートレース平和島にある『煮込みの店 おおこし』の煮込みも好きだが、ここの味も良い。



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このままだと、この店に長居してしまいそうだ。
私は後ろ髪を引かれる思いで会計を済ませ、次の店に移動する事に。
そして、ある事に気付いた。
腹が一杯で、もう何も食べられない。酒も受け付けない。


呑み歩きをしようとしているのに、1件目から飛ばしすぎた。
明らかにハイペースだった。
俺は一体何をしに来たんだ。
粋に呑み歩くつもりだったろ。
外は冷たい雨さ。



次回へ続く。

仕事の話と卍と恋はみずいろの話

久々のブログ更新である。
10月に入り、朝晩は急に涼しくなった。
9月の彼岸も無事に終わり、作業場も少しだけ落ち着いた状態である。


こちらは先日加工した剣先塔婆。
尾加工1mm残し。


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来週は通常の塔婆に加え、剣先塔婆、木札の加工、印刷など、やる事がてんこ盛りであるが、心穏やかに作業に取り組みたい。


さて、話題は変わる。
秋と言えば読書である。
先日、『先祖返りの国へ-日本の身体文化を読み解く』と『みうらじゅん×いとうせいこう ご歓談』という本を購入した。


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前書は日本人の身体動作、身体文化について書かれている。
最近、古武術に興味を持ち、色々紐解いていく中で、現代の日本人が、間違った身体の使い方をしている事を知った。
(正確には間違った身体の使い方をさせられてしまった、である。)
その辺の知識を得る上で大変参考になる本だった。


後書は、みうらじゅんといとうせいこうのとりとめのない会話を記録したもの。
9割はくだらない内容だが、仏教、仏像に詳しい二人ならでは、たまに奥の深い内容が飛び出してくる。


その中で『それって谷崎潤一郎の卍の世界だよね。』というフレーズが出てきた。
谷崎潤一郎、名前は聞いた事あるが、彼の作品は一度も読んだ事がない。
卍という作品名も気になる。


じゃあ、読んでみるか。
こうやって私の読書は脱線していく。
家の本棚に谷崎の作品集があったので、それを引っ張り出して読む事にした。
様々な文学集が収納された本棚が家にある。
その本を誰が買い揃えたのか分からない。
幼少期から、これらの作品集を読んでいれば、私の人生も変わっていたのかも知れない。
まあ、言っても仕方がないからやめよう。



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卍 内容は割愛するが、登場人物全員が狂っていて、正気の沙汰ではない。
文字もかなり小さく、老眼の私には読み進めるのが大変だったが、展開が気になり最後まで読んでしまった。



卍を読み終えたのも束の間。
『恋はみずいろっていう曲がまたいいのよ。ポール・モーリア楽団の演奏でも有名なんだけど、フランス語のクロディーヌ・ロンジェ版が特におすすめだよ。』というフレーズが出てきた。



じゃあ、聴いてみるか。
ポール・モーリア楽団の演奏自体は、誰しも一度は聴いた事があると思うが、クロディーヌ・ロンジェ版は、悲しげな曲調にフランス語の響きが絶妙に合う。






更に掘り下げていくと、B'ZAROというアーティストのラップ版もある事を知った。
これもいい。






脱線しまくりの私の読書であるが、意外な出会い、発見もあり、このスタイルは気に入っている。
長くなったので今日はこの辺で。
ごきげんよう。


あと何回・・・

8月最終日。
2023年の三分の二が終わった。
残す所、あと三分の一。
早いものだね。


目下のところ、秋の彼岸に向けての作業が続いている。
16時半を過ぎると外はまだ明るいが、作業場内は薄暗くなるので灯りを点ける。
日が短くなったのを実感した。
季節はもう秋。


先日、ふと思った事がある。
『自分はあと何回秋を体験出来るのだろうか?』
人は自分の命が永遠に続くかのように、終わりを意識せず、漠然と生きてしまう傾向がある。
私は今現在すこぶる健康であるが、そんな私にも必ず死は訪れる。


たまたま聴いたラジオで知ったのだが、映画『シェルタリング・スカイ』にこんな台詞があるそうだ。
『あと何回満月を眺めるか?せいぜい20回だろう。 だが、人は無限の機会があると思い込んでいる。』


あと何回秋を体験出来るのか?
あと何回あの場所へ行けるのか?
あと何回あの人と会えるのか?
あと何回あいつと酒が呑めるのか?
あと何回ボートレースで負けるのか?(違うか!)


それぞれ何回なのかは知るよしもない訳だけど、『あと何回?』を意識して日々過ごすだけでも、物事への取り組み方、人への接し方も違ってくるのだろうね。
そんな事を感じた8月最後の日だった。


それでは、また。
ごきげんよう。

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