本日は間伐材塔婆の節穴加工について。


間伐材塔婆の加工において、一番厄介な点・・・それは節穴です。
木には『生き節』『死に節』という2種類の節が存在します。
『生き節』は節の繊維が周囲の木と連結しており、艶があります。
『死に節』は黒っぽくて、枝の樹皮部分がはさまっている状態で、押すと抜けてしまいます。
『死に節』の樹皮が抜けると、そこにポッカリと節穴が開いてしまいます。




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上の画像は『死に節』によって出来た節穴です。
『死に節』に挟まっている樹皮はボロボロで、かさぶたの様な状態ですから、プレナ加工で厚みをキメる際に、樹皮が飛び、穴が開いてしまいます。



『死に節』がない間伐材を選んで使えば楽に越した事はないですが、それをやってしまうと、そもそも間伐材を利用する事に意味がなくなってしまう。山を育てるという趣旨の元に、間伐材塔婆は存在している訳ですから、一枚たりとも無駄には出来ません。



今回、節穴を埋める方法として、『埋木』という方法を試してみました。
『埋木』とは大工さんが、柱や梁などに出来た穴を、木で埋める技術です。
以前、エポキシ樹脂で節穴を埋めようと試みましたが、貫通していない穴ならまだしも、完全に貫通している穴を樹脂で埋めることは、なかなか難しい・・・。
例え出来たとしても、時間がかかり過ぎます。
『埋木』という方法も、本来は柱などに出来た穴を塞ぐ技術ですから、板を貫通した穴でも対応できるのか、若干疑問でした。
まあ、とにかくやってみて、試してみなけりゃ分からないので、早速実行。



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まず、節穴の開いた材料をボール盤にセット。
ドリルで節穴をぶち抜き、節穴より大き目の穴を開けます。


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次に『埋木錘』という刃の出番です。
今回、この作業の為に購入しましたが、正直お高です・・・。
通常の塔婆製造には全く使用しない刃なので、この方法が上手くいかなったら、はいそれまでよ・・・。
なかなかスリリングな買い物です・・・。
写真では分かりにくいですが、刃を持つ手が震えています。



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『埋木錘』をボール盤にセットし、ドリルと同じ要領で木に穴を開けていくと、上の画像のように、円柱型の木が取れます。



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『埋木錘』で作製した円柱型の木を、最初に開けた穴に木槌で打ち込めば、埋木の完成です。
何度か試してみましたが、この方法、結構シビアです。
少しでも板がブレて穴が大きくなり過ぎるとスカスカになって埋木にならない。
コツは掴みましたけど、まだまだ改良の余地ありと言った感じです。



とりあえず、課題は一歩前進しました。
『埋木錘』は無駄にはならなくて良かった・・・。





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