あるお寺さんの年忌用塔婆の印刷作業を行いました。
年忌塔婆とは一周忌、三回忌など、年忌法要に使う塔婆の事です。



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塔婆の裏面には『千江有水千江月 万里無雲万里天』と書かれています。
何と読めばいいのでしょうか?
どんな意味なんでしょうか?
漢字の羅列を目にすると、高校時代に苦戦した漢文の授業を思い出します。
早速調べて見ると・・・



『千江有水千江月 万里無雲万里天』は・・・
せんこうにみずあり せんこうのつき
ばんりにくもなく ばんりのてん
・・・と読むそうです。
読み方は分かりました。では肝心な意味は?



あらゆる川が水を満々とたたえて、たくさんの月を水面に映し、雲ひとつ無い天がどこまでも続いている




moon










頭に思い浮かべただけで綺麗な光景ですね。



なぜ年忌用塔婆に、この言葉が書かれていたんでしょうか?
もう少し詳しく調べて見ると、千江有水千江月 万里無雲万里天』禅語だと言う事が分かりました。
禅的な解釈だと・・・



『千江有水千江月』の部分は
月は一つしかないが、川の水面にはたくさんの月を映し出すことが出来る。
人の心も川の水同様、清らかであれば、必ず悟りを映し出す事が出来る。
・・・・という事を捉えているそうです。



『万里無雲万里天』の部分は、煩悩の存在しない清らかな状態・・・を表しているそうです。




仏教では人々を苦悩の世界に誘う要素として、煩悩や執着心を挙げています。
僕なりに勝手な解釈をすると、千江有水千江月 万里無雲万里天』は二つの意味を含んでいると思います。



一つ目は、川の流れのように一つの場所に留まらない(一つの事に執着しない)で生きていけば、煩悩から開放されて悟りの世界に到達できますよ。


二つ目は、物事の捉え方次第で、同じ出来事を体験しても天国にも地獄にもなりうる。煩悩をサラッと流せるか、捕らわれてしまうかで悟りの世界に行けるか、迷いの世界に行くのか決まってしまいますよ。




まあ、あくまで僕の解釈なんですけどね。
塔婆に書いてある文字には、戒名施主名だけじゃなくて、色々な意味が凝縮されているんですね。





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