今日からお盆ですね。
お盆初日と言えば、遠藤家恒例の精霊馬(しょうりょううま)の製作が行われます。


精霊馬とはナスとキュウリで作った牛と馬の事であります。
キュウリは足の速い馬に見立てられ、あの世からご先祖様が早く家に戻ってくるように、また、ナスは歩みの遅い牛に見立てられ、この世からあの世に帰るのが少しでも遅くなるように、また、供物を牛に乗せてあの世へ持ち帰ってもらうとの願いがそれぞれ込められているそうです。


最近ではスーパーマーケットなどで、藁で作られた精霊馬を見かけますし、簡略化でこういう類の飾りをしない御家庭も増えています。
しかし、お盆は日本人の心なり!
我が家ではこういう風習をいつまでも大切に守っていきたいのであります。


今日は特別に精霊馬の作り方をご覧頂きたいと思います。
製作を担当するのは3代目遠藤智泰師範。(僕の弟です・・・)
幼少期から祖母に徹底的に精霊馬の作り方を叩き込まれた、この道30年以上のベテランです。


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作製前にタバコを吸い、インスピレーションが湧くのを待つ師範。


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突如、水、水持って来いや。』と我々に指示を出す師範。
『何に使うんですか?』の問いかけに・・・
『わいが飲むんや!』
その道のベテランはどんな状況でもマイペースを貫きます。


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準備するのはキュウリ、ナス、割り箸、南天の葉、豆(本来は小豆)
画像左側のジューシーカツソーセージは師範の朝食なんだそうです。


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割り箸を適当な長さに折り、重心を意識しながら4本の割り箸をキュウリに挿して行きます。
これが精霊馬の脚となります。


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次にキュウリに爪楊枝で穴を開け、そこに豆を押し込みます。
これが精霊馬の目となります。
本来ですと小豆を使用しますが、我々の手違いで小豆が準備出来なかったので豆で代用。


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次に南天の葉を取り付けます。
これが精霊馬の耳となります。


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『お盆は1年に一度。精霊馬作りも1年に1度きりの真剣勝負なんや。分かる?』
師範は真剣な眼差しでボソッと語りました。
精霊馬作りにおいて大切な事は何かと尋ねると・・・


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『心や。ご先祖様に感謝する心が大切なんやて。分かる?』
先程からなぜか関西弁で語る師範。


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いよいよ精霊馬作りも大詰めです。
最後にインゲンマメを取り付けて完成となります。
これが精霊馬の尾になります。
本来ですと、トウモロコシの髭を尾にするのですが、捨ててしまった為に今回はインゲンマメで代用。


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完成した精霊馬。
キュウリの馬とナスの牛です。



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『どうや?今にも動き出しそうやろ?もうご先祖様来てるんちゃうか?ガハハハハハ!』
気難しい顔つきだった師範の顔から、まるで少年のような爽やかな笑顔がこぼれた瞬間だった。







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