お暑ございます。今日からお盆ですね。
お盆初日と言えば、遠藤家恒例の精霊馬(しょうりょううま)の製作が行われます。


精霊馬とはナスとキュウリで作った牛と馬の事であります。
キュウリは足の速い馬に見立てられ、あの世からご先祖様が早く家に戻ってくるように、また、ナスは歩みの遅い牛に見立てられ、この世からあの世に帰るのが少しでも遅くなるように、また、供物を牛に乗せてあの世へ持ち帰ってもらうとの願いがそれぞれ込められているそうです。


昨年のブログに引き続き、今回も特別に精霊馬の作り方をご覧頂きたいと思います。
製作を担当するのは精霊馬一筋三十余年・3代目遠藤智泰師範。(私の弟です・・・)
幼少期から祖母に徹底的に精霊馬の作り方を叩き込まれた、この道のスペシャリストです。


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今年のテーマは『野菜の王国』
我が家の家庭菜園で収穫したキュウリ、ナス、オクラ、ピーマンで様々な精霊馬を作ります。


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真剣な顔つきの遠藤師範。
その表情には一片の迷いもありません。


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手際よく精霊馬を製作していく遠藤師範。
適当に作っているようですが、重心を意識することが大切なんだとか。
精霊馬の詳しい作り方を知りたい方は昨年のブログを御覧下さい。


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数分後、我が家の仏壇に飾られた精霊馬の面々
詳しく紹介していきましょう。


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キュウリの馬。


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ナスの牛。


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!?


オクラとピーマンで作られた得体の知れない造形物。
師範にこいつらは何かと尋ねた所、『知るか!そんなもん!自分で考えろ!』と一喝。


仏壇の前に座り込み、オクラとピーマンのこいつらは一体何を意味するのか考えました。
ピーマンの奴がジッとこちらを見つめているような気がしました。


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見れば見るほど気味が悪い。
何だ、このハゲ散らかした生き物は!?
師範が伝えたかった事は一体何か?
考えるな、感じるんだ・・・。


そうか・・・そういう事だったのか。
オクラは何事も粘り強く!
ピーマンは人生苦い事もあるけど、それも含めて人生!
私の中で私なりの答えが出ました。


『よお、兄ちゃん、ようやく分かったようやな。』
振り返ると、そこにはニコッと笑った師匠が立っていました。(何だそりゃ!)